栃木県中央公園は、栃木県宇都宮市の中心部に位置する県営都市公園で、昭和天皇在位50周年記念事業として整備された全国11か所の記念公園のひとつです。かつて専売公社宇都宮工場があった敷地を活かし、1977年(昭和52年)から整備が進められ、1982年(昭和57年)に開園しました。広大な園内には豊かな自然が広がり、四季折々の草花や水景、文化施設が調和した美しい景観が魅力です。
公園全体は「水と緑と文化」をテーマにデザインされており、4つの池を中心に和洋折衷の回遊式庭園として設計されています。正門から入ると目の前に広がる洋風沈床園、奥には落ち着いた趣の日本庭園が配置され、両者を大池がつなぐことで、変化に富んだ散策が楽しめる造りとなっています。
園内は自然の変化が美しく、春夏秋冬でまったく異なる表情を楽しめるのが大きな魅力です。春には桜が大池の水面を優しく染め、花びらが水面に散る様子は風情たっぷりです。夏には深い緑が生い茂り、池に映る木々が涼しげな景観を作り出します。秋には紅葉が色づき、日本庭園の落ち着いた雰囲気をさらに引き立て、冬には雪景色の中の庭園がまるで絵画のような美しさを見せます。特に日本庭園の雪吊りは兼六園に勝るとも劣らない見応えがあり、冬の名物となっています。
また、公園では季節ごとにさまざまな催しも開催されています。ナスヒオウギアヤメを観賞する会、菊花展、緑の相談所による展示会や講座など、花や自然に親しめるイベントが多く、県民からも広く親しまれています。
約1ヘクタールの広さを誇る日本庭園は、滝、木橋、石積、梅林、野点広場などを備え、静かで落ち着いた空間を演出しています。池は「むつび池」と名付けられ、池に架かる橋「松景橋」からは四季折々の風景が楽しめます。春の梅林、夏の深緑、秋の紅葉、冬の雪吊りと、いつ訪れても風情ある景観が広がります。
公園の入口付近に広がる沈床園は、フランス風の整形式庭園を基調とした洋風庭園です。周囲より約1.5メートル低く設計され、長さ90メートル・幅45メートルの沈床池と、幅3メートルのサツキの刈り込みが規則正しく並びます。ユリノキの並木が庭園に奥行きを与え、ヨーロッパの庭園を思わせる整然とした美しさが魅力です。
沈床園と記念広場をつなぐ中央広場には、八角形のパーゴラが設置され、休憩や待ち合わせのスポットとして人気があります。季節によって周囲の花々が彩りを加え、散策中の憩いの場として親しまれています。
記念広場は、大池に向かって張り出すデッキが特徴で、中央には「陽光のうた」と名付けられたモニュメントが立ちます。このモニュメントには日時計が組み込まれ、公園の象徴的な存在となっています。隣接する昭和大池は、広さ9,552平方メートル、水深30~120センチの大きな池で、中央には高さ20メートルの噴水が設置されています。噴水が上がる時間帯には水と光の美しいコラボレーションが楽しめます。
博物館と大池の間には広々とした芝生広場が広がり、家族連れや散歩を楽しむ人々に人気のエリアです。北側にはロックガーデンがあり、県内産の自然石380トンを使用した立体的な造園が特徴です。多種多様な山野草が植えられており、季節ごとの花を楽しむことができます。
緑の相談所では、展示室・研修室を備え、花や緑に関する展示会や講習会を開催しています。庭造り・植物の育て方など、市民の質問に応える窓口としても機能しており、自然と触れ合う学びの場として人気です。
園内に隣接する栃木県立博物館は、栃木県の自然・歴史・文化を紹介する総合博物館です。面影池を望む立地で、公園散策とあわせて訪れやすく、学びと自然が融合した豊かな時間を過ごすことができます。
園内には、1928年(昭和3年)に建てられた旧宇都宮商工会議所の正面玄関部分が復元されています。大谷石を使用した重厚な造りで、歴史的建築物として見応えがあります。
栃木県中央公園は、種類豊富な植物が四季を華やかに彩ります。サザンカ、ツバキ、ウメ、ロウバイ、シダレザクラ、アジサイ、サツキ、モミジなど、園内のあらゆる場所で多彩な花々を見ることができます。特に春の桜や初夏のアジサイ、秋の紅葉は来園者に人気があり、写真愛好家にも注目されています。
東北自動車道・鹿沼ICから約7km、宇都宮ICから約9km。広めの駐車場が整備されており、車での来園も便利です。
JR宇都宮駅西口から、桜通り経由の鶴田駅行きまたは西川田駅行きのバスで「中央公園博物館前」下車。JR日光線・鶴田駅からも同様にバスで「中央公園博物館前」へアクセスできます。
旧専売公社工場専用線の廃線跡を利用した歩行者・自転車専用道「なかよし通り」を利用すれば、宇都宮駅から約35分ほどの気持ちよい散策が楽しめます。