餃子通りは、栃木県宇都宮市中心部に位置する全長153mの小さな通りでありながら、宇都宮を象徴する観光スポットとして高い人気を誇っています。赤門通りから東通りに至る区間で、正式名称は宇都宮市道886号。通りの両側には宇都宮を代表する名店が軒を連ね、その周囲には餃子にまつわるユニークな装飾が施されています。2018年にこの愛称が付与されて以来、餃子文化の発信地として注目を集め、観光客は年々増加しています。
餃子通りには宇都宮みんみん本店や正嗣(まさし)本店など、行列が絶えない有名店を含む5店舗の餃子店が並びます。週末には遠方から訪れた観光客が行列をつくり、入店まで数時間待つことも珍しくありません。焼き餃子、揚げ餃子、水餃子と、お店ごとに味わいやスタイルが異なるため、食べ歩きを楽しむ“餃子ホッピング”にも絶好のエリアです。通り全体が約160mとコンパクトなので、複数店舗を巡りやすいのも魅力です。
餃子通りが注目を集める理由は、飲食店だけではありません。通りには餃子型の街灯、餃子が描かれたマンホール、餃子型バス停、さらには焼き餃子の実物をスキャンして制作された立体オブジェなど、遊び心あふれる装飾が至るところに散りばめられています。通りを歩けば、視界に次々と餃子モチーフが現れ、まさに“餃子の街・宇都宮”を体感できる場所です。
特に注目されているのが、電柱に取り付けられた3D餃子オブジェです。宇都宮餃子会の協力のもと、実際の餃子をスキャンしたデータから3Dプリンターで成型されており、焼き色や質感まで忠実に再現されています。日本初の立体電柱広告として大きな話題を呼びました。さらに通りを照らす餃子型の街灯は、手作り餃子をイメージした丸みのあるデザインで、日没と同時に柔らかな光を放ちます。夜間の散策を楽しませるだけでなく、写真映えするスポットとしても人気です。
2018年10月には、餃子の皮をイメージした白を基調とするご当地マンホールが3か所に設置されました。焼き餃子を思わせる黄色のアクセントが入ったデザインはSNSで話題となり、マンホールカードも配布されるほどの人気となっています。また、通りの路側帯は餃子の焼き色をイメージしたベージュ色に塗装され、よく見ると“隠れ餃子”のイラストが描かれているなど、細部まで工夫が凝らされています。
2022年にはSNS映えを意識した「GYOZAモニュメント」が設置され、さらなる人気スポットに。巨大な「GYOZA」の文字と、箸で餃子を持ち上げる姿を立体化したデザインで、多くの観光客が写真撮影を楽しんでいます。設置後には公式キャンペーンも実施され、餃子通りの認知度向上に大きく寄与しました。
餃子通りがある一帯は、江戸時代から商人の町として栄え、旧町名「宮島町」として親しまれていました。1958年に宇都宮みんみんが出店したことが現在の餃子文化発展の礎となり、その後店舗数が増加。2000年代に入ると観光資源としての価値が見直され、餃子横丁構想などの計画が持ち上がるようになりました。そして2018年、栃木県のデスティネーションキャンペーンに合わせて「餃子通り」の愛称が正式に命名され、観光地として本格的に整備が進められました。
宇都宮市の観光調査によると、市を訪れた人の92%以上が「宇都宮=餃子」のイメージを持ち、6割以上が餃子を目的に来訪したと回答しています。そのため餃子通りは市内でも重要な観光拠点と位置づけられており、新たな店舗の誘致や装飾の追加など、街の魅力向上のための取り組みが継続されています。
餃子通りは、食べ歩きだけでなく、散策そのものが楽しい観光スポットです。昭和レトロな雰囲気が残る約160mの通りには、巨大モニュメントからマンホールまで、至るところに餃子モチーフが隠れています。餃子好きはもちろん、写真映えを求める観光客や家族連れにもおすすめのエリアです。宇都宮を訪れる際には、ぜひこの個性豊かな通りをゆっくり歩き、餃子文化の奥深さを味わってみてください。