栃木県 > 小山・栃木市 > 栃木市立文学館(旧栃木町役場庁舎)
栃木市立文学館は、栃木県内初の公立文学館として、2022(令和4)年4月27日に開館しました。隣接する栃木市立美術館とともに、「とちぎの歴史・文化・芸術を、みんなで楽しみ、広め、創る拠点」をコンセプトに整備された文化施設です。
建物は1921(大正10)年に建てられた旧栃木町役場庁舎を活用しており、市内でも貴重な近代洋風建築として知られています。長年にわたり町役場や市役所として使用され、2014年まで約90年間その役割を担ってきました。2017(平成29)年には市の有形文化財に指定され、歴史的価値の高い建築として保存されています。
館内では、栃木市ゆかりの作家である山本有三、吉屋信子、そして詩人の柴田トヨの3人を中心に、常設展示が行われています。それぞれの生涯や作品世界を、原稿や資料、写真などを通してわかりやすく紹介しており、日本文学の歩みとともに、地域文化とのつながりを感じることができます。
また、文学だけでなく、市史に名を残した先人たちの足跡も紹介されており、栃木市の歴史を多角的に学べる構成となっています。日立製作所創業者・小平浪平をはじめ、「ビール麦の父」と称される田村律之助、第27代横綱・栃木山守也など、郷土の発展に貢献した人物の業績を知ることができます。
文学館の建物は、1921年(大正10年)に旧栃木町役場庁舎として建設されました。その後、約90年にわたり町役場・市役所として使用され、市の行政の中枢を担ってきました。大正時代の公共建築らしい洋風意匠を今に伝える建物として高く評価され、2017年(平成29年)には栃木市の有形文化財に指定されています。
木造2階建ての建物は、外観に白壁や木組みを取り入れたデザインが特徴で、玄関ポーチやアーチ状の意匠、塔屋(時計塔)などに大正時代の洋風建築の趣を感じることができます。市内でも数少ない近代洋風建築として、建物そのものが貴重な見学対象となっています。
2019年(平成31年)3月から約2年をかけて行われた改修工事では、現存する資料や建物に残る痕跡をもとに、建築当初の姿を可能な限り忠実に復原しました。耐震補強やバリアフリー化を行いながらも、歴史的価値を損なわない工夫が随所に施されています。
現在は、往時の内外装が残る空間を実際に歩きながら見学でき、建物が果たしてきた長い役割に思いを馳せることができます。
館内には、栃木市ゆかりの文学・美術・歴史に関する書籍を集めたライブラリーコーナーも設けられています。静かな空間で読書を楽しみながら、展示内容への理解を深めることができ、観光の合間にゆったりと過ごすことができます。
栃木市立文学館は、文学資料の展示にとどまらず、大正期の建築美、地域の歴史、文化の継承を一体的に体感できる施設です。蔵の街として知られる栃木市中心部に位置しており、周辺の歴史的街並みや観光スポットとあわせて訪れることで、より深い栃木市の魅力に触れることができるでしょう。
文学と建築、そして市の歩みを静かに味わえる栃木市立文学館は、栃木市観光において欠かせない文化拠点の一つです。