栃木県の特産品の一つであるかんぴょうは、生産量日本一。国産かんぴょうのほぼ全量が下野市・小山市・壬生町などで生産されている。県内で生産された「ゆうがお」の果肉を、桂剥きのようにひも状に剥いて干す。夏になると農家の庭先で行われることの多いかんぴょう剥きは、栃木の風物詩である。食物繊維はごぼうの約3倍、カルシウムは牛乳の約2倍、とミネラル豊富な食材である。巻き寿司の具や煮物に入れる巾着の結束等に用いるのが一般的だが、きんぴらや酢の物、サラダの材料や揚げ物の衣等にも良く合う。
かんぴょう(干瓢、乾瓢)は、ふくべ(ウリ科ユウガオの品種)の果実をひも状に剥いて乾燥させた食品です。ウリ科ユウガオは、ヨルガオとは別のユウガオであり、水で戻して煮て寿司の具材や煮物、和え物などに用いられます。低カロリーで食物繊維が豊富です。
栃木県は日本全国のかんぴょうの98%を生産する地域として知られています。栃木県がかんぴょう生産の中心地となったのは、地域の風土による影響も大きいと考えられています。この土地は夕顔の栽培に適しており、土壌が保水性が高くて水はけが良い特徴を持っています。また、この地域は雷が多く発生し、夏には恵みの雨が多く降ることから、かんぴょうの生育に適しています。
かんぴょうはユウガオの実から作られます。ユウガオの花が咲いてから2週間ほどで、1つの実から200gのかんぴょうができることがあります。かんぴょうの生産は摂津国木津(現在の大阪市浪速区)が発祥とされ、近江国水口藩から下野国壬生藩(現在の栃木県壬生町)に国替えした鳥居忠英の奨励が栃木県での干瓢生産の興隆に繋がったとされています。
現在では、栃木県の下野市、小山市、壬生町などで多く栽培され、国産かんぴょうのほぼ全量(98%)が生産されています。