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かんぴょうの卵とじ

栃木の特産を味わう郷土料理

かんぴょうの卵とじは、栃木県を代表する特産品「干瓢(かんぴょう)」を使った、やさしい味わいの汁物です。素朴でありながら滋味深く、地元では日常の食卓からお祭りや来客時のごちそうまで、幅広い場面で親しまれてきました。観光で栃木を訪れた際には、ぜひ味わっていただきたい郷土料理のひとつです。

全国一の生産量を誇る「かんぴょう」

かんぴょうは、ゆうがおの未熟な果肉を細長くひも状にむき、天日で乾燥させた保存食品です。栃木県における栽培の始まりは、江戸時代の正徳2年(1712年)、壬生藩の藩主・鳥居忠英公が近江国から種を取り寄せたことに由来すると伝えられています。

火山灰土壌と夏の高温という栃木の風土はゆうがおの栽培に適しており、生産は県内各地へと広がりました。現在では全国生産量の9割以上を占める、日本一の産地となっています。夏の早朝、畑で収穫されたゆうがおを細くむき、庭先に白いのれんのように干す光景は、栃木の夏の風物詩として知られています。

もったいない心から生まれた一品

「かんぴょうの卵とじ」は、干す際にうまくむけなかったかんぴょうを無駄にしないために考えられた料理です。忙しい農家の人々が、簡単で栄養があり、体を温める汁物として作ったのが始まりとされています。

どのような味付けにもなじむかんぴょうの特性を生かし、だし汁の中に溶き卵とともに加えてふんわりと仕上げます。醤油仕立てのほか、味噌味にすることもあり、家庭ごとに異なる味わいが受け継がれています。

やさしい味わいと食文化の広がり

下ごしらえでは、かんぴょうを塩もみして洗い、やや固めにゆでてから使用します。かつお節でとっただしに調味をし、煮立ったところへ卵とかんぴょうを加えることで、ふんわりとした食感の一椀が完成します。仕上げに三つ葉を添えると、彩りも香りも一層引き立ちます。

現在では一般家庭だけでなく、学校給食でも提供されるなど、世代を超えて親しまれています。五目めしなどとともに供されることも多く、祭りや祝いの席でも登場する郷土色豊かな料理です。

栃木を訪れた際には、特産のかんぴょうを使った伝統の味「かんぴょうの卵とじ」をぜひご賞味ください。そこには、地域の歴史と人々の知恵、そして食材を大切にする心が息づいています。

Information

名称
かんぴょうの卵とじ

小山・栃木市

栃木県