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那珂川町 なす風土記の丘資料館

(なかがわまち ふどきのおか しりょうかん)

那珂川町なす風土記の丘資料館は、栃木県北東部を流れる那珂川と箒川の合流点周辺に広がる「なす風土記の丘」一帯の歴史と文化を、分かりやすく伝えるために設けられた資料館です。この地域は、南北およそ5kmの範囲にわたり、縄文時代から奈良・平安時代にかけての貴重な史跡が数多く残る、まさに歴史の宝庫といえる場所です。

なす風土記の丘資料館は、もともと栃木県が文化遺産と自然環境を一体的に保護・活用する目的で設置しましたが、平成27年4月から那珂川町に移管され、現在は「那珂川町なす風土記の丘資料館」として運営されています。周辺の史跡と連携しながら、地域の歴史を未来へ伝える重要な拠点となっています。

風土記とは何か

「風土記(ふどき)」とは、奈良時代初期の713年、元明天皇の命により編纂された地誌のことです。各国に対して、郡や郷に良い名前を付けること、土地の産物、動植物、山や川の由来、古くから伝わる言い伝えなどを記録するよう命じられました。現在まで完全な形で残っている風土記は5か国分のみですが、当時の自然環境や人々の暮らし、歴史を知る上で非常に貴重な史料です。

こうした考え方をもとに、郷土の歴史や風土を象徴する史跡を広い範囲で保存・整備した地域を「風土記の丘」と呼びます。そして、その中心施設として資料の収蔵・展示・学習活動を担うのが、風土記の丘資料館です。

那須地域の歴史的背景

那珂川流域には、河川に沿って数多くの文化遺産が残されています。この地域は、東北地方、北陸地方、南関東地方という複数の文化圏の接点に位置し、それぞれの影響を受けながら、縄文時代から独自の文化を育んできました。

特に、那珂川と箒川が合流するなす風土記の丘周辺は、古墳時代において栃木県内でも最も古い時期に築造された駒形大塚古墳をはじめ、前方後方墳が狭い範囲に集中して築かれた地域です。さらに奈良時代には、那須郡の役所である那須官衙遺跡が置かれ、古代那須国の政治・行政の中心地であったと考えられています。

常設展示「よみがえる那須古代文化の軌跡」

那珂川町なす風土記の丘資料館では、常設展示のテーマを「よみがえる那須古代文化の軌跡」とし、縄文時代から奈良・平安時代に至るまでの那須地域の歴史を、体系的に学べる構成となっています。実物資料に加え、復元模型や映像を用いることで、初めて訪れる方でも理解しやすい展示が工夫されています。

Ⅰ 導入展示

導入展示では、「なす風土記の丘」とその周辺を含む地形模型を用いて、那須地域の地形的特徴や史跡の分布を俯瞰的に紹介しています。史跡巡りの事前学習としても役立つ内容で、地域全体の歴史像を把握することができます。

Ⅱ 那須の縄文人

このコーナーでは、那須に暮らした縄文人の生活を紹介しています。自然環境に依存しながらも、限られた素材から道具を工夫して作り出し、他地域の人々と交流しながら生活を向上させていった姿が、復元住居や模型を通して分かりやすく解説されています。

Ⅲ 巨大墳墓の時代

3世紀末から5世紀初めにかけて、那須地域では質・量ともに優れた副葬品を持つ前方後方墳が集中的に築かれました。さらに6世紀後半には、横穴式石室を持つ前方後円墳も各地に築造されます。この展示では、那須の古墳文化の特色を、他地域との比較を交えながら紹介しています。

Ⅳ 古墳の終末と仏教文化

7世紀になると、大型古墳に代わり、小円墳や横穴墓が群をなして造られるようになります。また、この時期には県内で初めて仏教寺院が建立されました。展示では、こうした社会の変化と仏教文化の受容について、その背景を丁寧に解説しています。

Ⅴ 新しい政治と地方の文化

律令制の成立により、那須は下野国那須郡として新しい政治体制に組み込まれました。資料館の東側に位置する那須官衙遺跡を中心に、郡衙の役割や、当時の産業・暮らしについて紹介しています。

Ⅵ 都への道 東山道

奈良時代、中央政府は地方統治のため、都と各地を結ぶ官道を整備しました。那須地域には、奈良の都と陸奥国を結ぶ東山道が通過していたと考えられています。この展示では、那須烏山市で発見された東山道跡の調査成果をもとに、その意義と那須郡との関わりを解説しています。

体験活動と学びの場

資料館では、常設展示に加え、特別展や体験活動、体験講座、出前講座なども随時開催・受付しています。子どもから大人まで、楽しみながら学べる機会が用意されており、地域学習や校外学習の場としても活用されています。

ふるさとの森公園との連携

資料館に隣接するふるさとの森公園には、「ふるさと館」「匠の館・民俗資料館」「そば処ふれあいの舎」などの施設が整備されています。池や子ども広場、アスレチック広場もあり、自然の中でゆったりと過ごしながら、歴史と文化を体感することができます。

アクセス

電車・バス
JR西那須野駅東口から関東バス「馬頭車庫行き」に乗車し、「中の原」下車、徒歩約15分です。

お車
東北自動車道 矢板ICから約30分で到着します。

那須の歴史を深く知る拠点として

那珂川町なす風土記の丘資料館は、那須地域の壮大な歴史を一望できる学びの拠点です。周辺の史跡やふるさとの森公園とあわせて訪れることで、自然と文化が織りなす那珂川町の魅力を、より深く味わうことができるでしょう。

Information

名称
那珂川町 なす風土記の丘資料館
(なかがわまち ふどきのおか しりょうかん)

那須烏山・那珂川

栃木県