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いもフライ

おやつにぴったりのB級グルメ

いもフライは、栃木県佐野市を代表するご当地グルメであり、地元の人々に長く愛され続けてきたソウルフードです。蒸したじゃがいもをひと口大に切り、竹串に刺して衣をつけ、香ばしく揚げた後に特製ソースをたっぷりとかけて仕上げます。外はカリッと、中はホクホク。素朴でありながら奥深い味わいが特徴で、おやつにも軽食にもぴったりの一品です。

いもフライの特徴

佐野のいもフライは、あらかじめ蒸した(または茹でた)じゃがいもを使用するのが一般的です。衣は小麦粉を水で溶いた生地をベースに、店によっては卵や牛乳、長芋などを加えることもあり、ふんわりとした食感と適度なもちもち感を生み出します。さらに少量のパン粉をまぶして揚げることで、独特の食べ応えを実現しています。

仕上げに使われる地元産の特製ソースも大きな魅力です。月星ソースやマドロスソース、ミツハソースなど両毛地域で製造されるソースが使われ、店舗ごとにブレンドや味付けに工夫が凝らされています。甘すぎず、じゃがいもの自然な甘みを引き立てる絶妙なバランスが、多くの人を惹きつけています。

竹串に込められた工夫

いもフライの大きな特徴のひとつが、竹串に刺して提供される点です。佐野市はかつて竹細工が盛んで、竹串が手に入りやすい環境にありました。購入した人が歩きながらでも食べやすいようにとの工夫から、この形が定着したといわれています。手軽に食べられるスタイルは、今も昔も変わらぬ魅力です。

戦後から続く歴史

いもフライの始まりは、第二次世界大戦後の食糧事情が厳しい時代にさかのぼります。当時は米の代わりにじゃがいもが多く食べられており、佐野周辺にもじゃがいも畑が広がっていました。そんな中、行商人がリヤカーを引き、揚げたてのいもフライを販売したことが広まりのきっかけとされています。

特に知られているのが「蝶野さん」という人物です。戦前から枝豆などを売り歩いていた蝶野さんは、戦後にいもフライの移動販売を始めました。朝早くから仕込みを行い、釜や油、薪などを積んだリヤカーを引いて町を巡り、揚げたてを提供していました。女工さんたちが仕事の合間に買い求める姿は、当時の佐野の風景の一部だったと伝えられています。

現在のいもフライ事情

現在、佐野市内では約50軒もの店舗がいもフライを販売しており、そのうち専門店も多数存在します。価格は1本60円から80円程度と手頃で、観光客にも人気です。八百屋や精肉店、スーパーマーケットの惣菜売り場、さらには祭りの露店などでも気軽に購入できます。

近年では「いもフライマップ」も作成され、食べ歩きを楽しむ観光客の姿も多く見られます。佐野ラーメンと並ぶ佐野市のB級グルメとして広く認知され、県外からわざわざ訪れる方も増えています。

家庭で楽しむいもフライ

家庭でも比較的簡単に作ることができます。少し硬めに蒸したじゃがいもの皮をむき、ひと口大に切って竹串に刺します。小麦粉を水で溶いた衣をまとわせ、パン粉をつけて170〜180度の油で揚げます。きつね色に揚がったら、温かいうちにソースをかけて完成です。揚げたてはもちろん、冷めてもおいしくいただけるのが特徴です。

観光で味わう佐野のソウルフード

佐野市を訪れた際には、ぜひ本場のいもフライを味わってみてください。素朴でどこか懐かしい味わいは、地域の歴史や人々の暮らしを感じさせてくれます。町角で手軽に楽しめる一串には、長年受け継がれてきた温かな物語が詰まっています。

いもフライは、単なる揚げ物ではなく、佐野の文化そのものを象徴する存在です。観光の合間のおやつとして、あるいは地元の人々の思い出に触れる一品として、ぜひその魅力をご堪能ください。

Information

名称
いもフライ

佐野・足利

栃木県